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2015/06/05

シンク(流し台)と水栓について

ブログ

設計担当の太田です。
全国各地では梅雨入りしたところもあり、じめじめした気候が続いておりますが体調には十分にご留意ください。

今回は厨房設計についてのお話をさせていただこうと思います。
皆様が使われている厨房の中にはシンク(流し台)がありますが、それらには当たり前ですが必ず水栓(カラン)が取付けてあります。
新築工事の際は工事区分というものがありまして、一般的にはどちらかといいますと水栓は我々厨房業者で用意するのではなく設備工事の範疇として水道業者で手配から取付までの対応になることが多いです。
これは何故かといいますとシンクの水栓も配管部材の一部だということ、即ち建物内を走っている給水管のあくまでも延長にある部材としての認識となっているからなのかと思います。(更に追求しますと水栓の直近にそれぞれ専用のバルブがあるかどうかでも変わってきます。バルブがあればそこまでが設備工事という考えです。)
厨房機器として我々で手配するケースももちろん有ります。又、設備業者側での手配になった場合でも、我々厨房業者で仕様の選定をするというパターンもあります。これらについては工事全体の費用に絡んでくることですので、現場状況に応じてのケースバイケースの対応になります。

私の意見としては厨房プランナー視点で考えた場合、調理する方々にとって使いやすい厨房環境を考えますと、水栓も厨房機器の一部として早い段階で水栓の仕様(タテ型、ヨコ型、単水栓、混合栓等)をふまえての考察をすることも非常に大事なことなのではないのかと感じます。

シンクの図面を作図する早い段階で取付予定の水栓も入れての考察がベストかと思われます。
・この水栓でスパウト長さは足りているのか
・開閉レバーまでの距離は遠くないか
・取付け高さは問題ないか
・汚れた場合清掃しやすいか
・使用しない時に、作業の邪魔にならないか
・シンク側に背立てがある場合は高さ、奥行きに問題はないか
など考えることはたくさんあります。
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又、一番のポイントとして今回お伝えしたいのがタテ型のシングルレバー混合栓の取付けについてです。(TOTOさんの水栓を参考例にします)
業務用厨房としては単水栓が使われることが一般的ですが、昨今では保育園等を中心にシングルレバー混合栓を使われるお客様も増えてきています。
このタテ型のシングルレバー混合栓には台座付と台座無しのものがありまして、台座が無いタイプのほうが設置場所がすっきりしていて良いのですが、こちらのタイプですと取付けの際に注意する点があります。
まずこちらの水栓を取付ける為にはシンクの後ろカマチ部分に直径37mm程度の穴を開け、水栓を仮配置します。そして、裏から中を覗いたところ<画像2>を見ていただければ分かると思いますが、取付部材として三日月状の金具がありまして、これを6㎜~30㎜の厚みを設けた水平な面に合わせて表側とで締め付ける方法になっています。(厚みを設けるためには補強部材を別途用意する必要があります)
水栓自体の胴体直径は約51㎜程度ですが、裏側の金具取付については約65㎜程のスペースが必要となります。(ちなみにこの65mmというのも水栓の中心位置に対してでは無いので、穴を開ける位置も慎重に考えなくてはなりません)
標準的なシンクの後ろカマチ部分有効は60㎜で設定することが多いですが、その場合は取付けられないということになります。
又、ステンレスシンクの構造上、作り手の工法にもよりますが槽の折返し部分や補強アングルが裏側にある為、その部分に段差が生じるので、予め一部を切り欠く等の対応が必要になります。(注.通常タイプとハンドシャワータイプとでは裏側の金具サイズが異なるので確認が必要です。)
<画像3>は先日工事が完了した保育園ですが、予め浄水器専用水栓とシングルレバー混合栓を取付ける事が決まっていた為、上記の事柄やシンクのオーバーフローをセンターから端にズラしたり等の対応により問題なく施工が完了しました。

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最後は少し細かい話になってしまいましたが、水栓1つにおいても非常に細かな考察が必要であります。
より良い厨房をつくる為にこれからも精進して参りたいと思いますので今後ともお付き合いくださいませ。
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