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マメ知識
2017/09/27

厨房機器や調理道具に使われるステンレス鋼について

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管理人です。今回は厨房の基礎勉強です。
厨房機械器具・カトラリーなどに使われるステンレスですが、
そもそもステンレスってどんな金属なのでしょうか。
ステンレスは英語で「stainless steel」、そのまま和訳したら「ステンレス鋼」、一応これが日本での正式な名称となるようです。
「stain」=汚れ・しみ(この場合はサビという意味も含みます)
「less」=ない・しない
この二つをつなげて、汚れたり錆びたりしないという意味からできた言葉と考えて良いかと思われます。しかしながら、正確には金や白金と違って絶対に錆びない金属ではありませんので、steelまで含めて”錆びにくい鋼”と覚えてください。

ステンレス製厨房用品 ステンレス板の表面研磨

主成分である鉄(Fe)にクロム(Cr)という銀白色で硬い金属を10.5%以上添加したものをステンレス鋼と言います。ピカピカに磨いて鏡のような表面にしたり、規則性のある細かな研磨目(キズ)を付けてやわらかな反射と光沢の美しい銀色に仕上げたりできるのもこのクロムが関係しています。耐食性に加え、耐熱性・加工性・強度などにも優れたステンレス鋼は、メンテナンスも容易であることから私達が属する厨房業界以外でも様々な場所で非常に多く使用されています。日本で流通しているステンレス鋼と呼ばれるものは、なんとJIS規格だけで100種類以上あるようで、それぞれの用途に適した性質を引き出すために添加される成分が少しずつ異なっていてとても覚えきれませんが、その中のほんの一部として厨房業界・キッチン周りで使用されているポピュラーなものをご紹介したいと思います。

●SUS430
鉄にクロムを18%添加したもので、成形加工性や溶接性も良く耐食性にも優れていて、ステンレス鋼の中では比較的コスト面でも有利であることから、大きな厨房機器の外装やレンジフード・シンク・調理台などの大物から鍋・釜・ボール・ザル・スプーン・フォークまで様々なものに使用されています。厨房用品としては「18-0ステンレス」という名称で呼ばれることもあり、磁性があり鉄などと同様に磁石が付きます。一般耐食用品として厨房関連製品以外にも建築関係、自動車部品、電気器具類などに広く利用されています。

●SUS304
鉄にクロム18%とニッケル(Ni)8%を添加したもので、上記のSUS430よりも更に耐食性に優れ、延性及び靱性も良く「絞り」や「張り出し」と言ったプレス成形などを含めこちらも加工性が高い材質で、ステンレス鋼の代表格として家庭用品、建築関連、自動車部品、化学工業、各種プラント等々非常に幅広い分野で使われていて、全ステンレスの中で最も生産量が多いとされております。もちろん業務用厨房関連製品にもたくさん使われておりますが、SUS430よりコスト面で高くつくため材料を大量に使う大きな製品としてはワンランク上のグレードとして扱われます。逆に小さな商品ではこちらをスタンダードと考える方も多いのではないでしょうか。「18-8ステンレス」と表記されることもありクロムとニッケルの含有率をそのまま数値化しているのでわかり易いですね。SUS430と色味が僅かに違いますが、表面処理次第ではほとんど見分けはつきにくい程度です。しかしながらこちらは磁性がなく磁石が付きませんので磁石片手に材質検査をされる方もいらっしゃいます。(曲げ加工などストレスを与えることで金属組織の性質が変わり部分的に磁性を持つこともあります)

メインどころは上記の2つですが、もう少しだけ

●SUS316(L)
クロム18%とニッケル12%、モリブデン(Mo)2.5%を添加して耐食性、耐孔食性をさらに向上させた材質で、海水ポンプ、船舶部品や塩害が想定される場所などへ利用されます。厨房機器でもパスタボイラーや茹で麺器の槽に使われたりヒーターやセンサーなど部品として組み込まれているものもあります。また、ソースポットや調味料入れなど耐酸性を必要とする商品の材料に使用される場合もありますが、コストが高い分一部の限られた高級品といった扱いになります。

●SUS420J2
クロム13%のほか炭素含有量が高めとなるこれらの材質は耐食性は下がる反面耐摩耗性に優れ、焼入れにより硬化する性質から刃物などに使用されます。

●SUS443J1
別名「21-0」クロム添加を21%と高め、コストの高いニッケルやモリブデン無添加でもSUS304と同等以上の耐食性を持つ低価格高性能材として開発され、近年少しずつ商品化も進んできています。

ステンレススプーン裏面の刻印その1 ステンレススプーン裏面の刻印その2

どうでしたか?ちょっと覚えてしまうと自分達が使っているスプーンやフォークのステンレスの種類がどれなのか気になってきませんか?レストランで出てくるものもご自宅で使用しているものも、裏を見るとだいたい刻印がされています。銘柄やメーカー名などが書かれているものもありますが、「18-0」や「18-8」はたまた「18-10」や「18-12」もレアですがあるかも・・・。後ろの数が増えるとその分高級ってことになりますね。ちなみに単に「STAINLESS STEEL」となっている場合は基本的に「18-0」です。残念!
もし、高級品が欲しくなったら、いやいやお安いものでも何でもぜひ当社へお問合せください。

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