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業界情報
2017/01/19

病院厨房の計画

ブログ

技術部のロンです。
2016年もあっという間に終わり2017年の幕開けとなりました。
遅くなりましたが本年もよろしくお願い申し上げます。
皆様は2017年、どのような目標を立てられましたでしょうか。
なにはともあれまずは健康であることが一番ですね。

さて、今回は『病院』の調理室(厨房室)の設計について書いてみようと思います。
最近は病院食のレベルも非常に上がってきたように感じています。色々な施設・業態の調理室の計画をする中でも病院に関しては特に綿密な打合せが必要です。というのも各病院によってさまざまな特色があり、食事療法の重視等それぞれの患者に合わせた少量多品種の治療食がある場合、そうした多くのメニューにもうまく対応できるよう実際のオペレーションを想定した計画をしていかなくてはなりません。
病院厨房レイアウト例
同一メニューの大量調理はもちろん、日々起きる患者の入れ替わりや容体の変化などによる細かいメニュー変更にも臨機応変に対応していかなくてはならないのです。しかも毎日3食、年間365日休むことなく食事提供していくことを考えますと、いざ新厨房の運用がスタートしてからうまく機能しないなどの問題が発覚するようでは病院の運営そのものに影響を及ぼしかねないので責任重大です。
もちろん衛生管理面についての追求も非常に大事な要素となりますし、中には職員食(昼食をメイン)の調理もされている病院もあり、この場合患者食のほかにこの職員食も同時に考えていく必要があります。

そんな病院厨房、計画する上でのポイントは多々ありますが、今回その中の1つ「食事の適温提供」について考えてみたいと思います。

提供する食数により該当する施設とそうでない施設がございますが、厚生労働省の大量調理衛生ガイドラインでは「調理終了後2時間以内の喫食が望ましい」と記されてあり、これに準拠するよう各施設でさまざまな工夫がなされております。
特に床数の多い病院では、厨房からかなり離れた場所にある病室まで患者全員の喫食時間をも考慮し逆算してこの2時間を厳守しようとなると、徹底したオペレーションの仕組み作りとそれに応じた設備検討を含め非常に細かい計画性が求められます。

調理から提供まで一連の作業の中で特に時間を要する工程が盛付~配膳といわれています。この盛付から配膳の工程をいかに無駄なく効率的に行えるかがとても重要な鍵となります。この部分だけクローズアップして考えますと、以前ブログ内でも紹介させていただいた再加熱カートを使用する「ニュークックチル方式」(※そのページへ)が極めて効果的であると改めて感じます。但し、個人的見解ですが、現段階では高価な導入コスト面の都合でこのニュークックチル方式の普及が進むにはまだまだ時間がかかるのではないかと思われます。
病院食再加熱前チルド保存イメージその1 病院食再加熱前チルド保存イメージその2
また、従来から使用されているおなじみの温冷配膳車での運用例として、皿盛り後の「スチコン再加熱方式」が増えてきているように感じます。要するに最終加熱が終わった料理をどれだけ早く患者のもとへ届けられるかということがポイントで、これにより風味を損なわず、より安全で衛生的な状態で食事の提供が可能になる訳です。
その他、細かい部分で気をつけるならば、盛付けエリアのスペースと配膳車へセッティングするまでの距離関係や動線がよりスムーズに動けるレイアウトになっているかも設計上では大事な部分です。
病院厨房_盛付コーナー及び配膳車プール
より安全で美味しい食事を提供できる病院食が増えてきていますので弊社としましても日々勉強しながら皆様のお役に立てるよう
ご協力させていただきたいと思います。

<関連記事:ニュークックチルに関するブログページはこちら>

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